Elastic、Elastic 8.0の一般提供を開始

主な更新点は、ネイティブベクトル検索の登場、最先端の自然言語処理モデルのネイティブサポートの開始、データの取り込みの大幅なシンプル化、セキュリティエクスペリエンスの効率化です。

自然言語処理（NLP）のネイティブサポートを一般提供で公開しました。カスタマイズ、あるいはサードパーティのPyTorch機械学習モデルをElasticsearch内で直接使用することが可能になります。このネイティブNLPサポートをベクトル検索と併用すると、Elasticsearch内で推論を実行することも可能となり、関連性にすぐれた検索結果がさらにスピーディーに返ってきます。 この他に、一般提供の近似最近傍（ANN、Approximate Nearest Neighbor）探索のネイティブサポートを含む、強化されたベクトル検索機能群も登場しました。ドキュメントや画像、オーディオファイルなどの膨大なデータセットに対してすばやく効率的にクエリを実行できます。

Elasticのネイティブベクトル検索機能は、ビジネスデータの世界の画像やテキストコンテンツ検索に広く関連するテクノロジーの拡張に役立ちます。ベクトル検索をNLPサポートと併用する場合、たとえばより迅速に関連性にすぐれたカスタマーサポート情報を提供する、ユニークな代替製品を提示して顧客のショッピングエクスペリエンスを高める、あるいは、一意のオーディオとビジュアル検索結果を提供して検索のアクセシビリティを強化する、などの用途に利用できます。

また、Elastic Search Platform全体のセキュリティ機能を強化しました。セルフマネージドのクラスターのデータ、ネットワーク、ユーザー情報を安全に保つデフォルトのセキュリティ設定が登場しています。ユーザーは自動生成のトークンや証明書を使ってセキュリティに関連するプロセスを効率化、シンプル化し、手間と時間を省くことができます。

新たな統合機能群とシンプルなオンボーディングエクスペリエンスでAWS×Elastic Cloudの利便性強化

AWSでElastic Cloudを使い始める際のオンボーディングエクスペリエンスをシンプル化しました。新登場のElastic Serverless Forwarderほか、データのインジェストを高速化する新たな統合機能群が加わっています。Elastic Serverless ForwarderはAWS Serverless Application RepositoryにパブリッシュするAWS Lambdaアプリとして設計されています。ユーザーはVMのプロビジョニングやデータシッパーのインストールといったオーバーヘッドを生じさせることなく、アーキテクチャーをシンプル化し、効率的にデータ統合を実行できます。

Elastic 8.0の新機能の詳細は、ブログを参照ください。

今回のリリースに寄せて

CSX CIO、キャサリーン・ブラント氏は次のように述べています。
「エンタープライズデータディスカバリープラットフォームの開発に際して、Elasticは圧倒的なスピードと柔軟性をもたらしてくれました。複数のデータストリームをすばやく一か所にまとめることに成功し、どのデータをどう組み合わせるとお客様と社員のバリューを最大化できるか、が明らかになりました。これにより、お客様や社員はさらに豊富な情報に基づいて意思決定を下すことが可能になります」

Enterprise Strategy Groupのシニアアナリスト、マイク・レオーネ氏は次のように述べています。「ユーザー行動機械学習、密度ベクトルフィールド、近傍法など、テクニカルな業界用語に夢中になるのは簡単です。問題は、用語の知識の有無ではなく、実際に組織がこの種のテクノロジーをエンタープライズサーチのデプロイに導入する必要に迫られていることです。多くの組織では自前で開発を行う時間的余裕がなく、人材もそろっていません」

Elasticプロダクトマネジメント担当バイスプレジデント、スティーブ・カーンズは次のように述べています。
「顧客に代わって重労働を引き受けるElasticが提供するのは、機械学習から検索まで、あらゆる場面でシームレスにバリューを手にするために欠かせないいわゆる進入車線です」

Elastic 8.0は、ユーザーが求めるイノベーションの実現を目指し、数千人年分の開発と強化を実施した成果です。ビジネスを支えるアプリの開発や、ミッションクリティカルなアプリとパフォーマンスの可用性維持、デジタルエコシステムのサイバー脅威からの保護に必要なスピード、スケール、関連性に重点を置いています。Elastic Cloudは、エンタープライズサーチ、オブザーバビリティ、セキュリティの各ソリューションを導入する上で最も手早く、簡単な方法であるという理由で多くのお客様に選ばれています。ネイティブベクトル検索や自然言語処理など一連の新機能が登場したことで、競争力に優れたインタラクティブなアプリをかつてないほど手軽に開発することが可能になりました」