クリーニングロボティクスの未来をElasticで構築

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Inwatec ApSはデンマークのロボティクス企業です。業務用クリーニング産業のワークフロー自動化を目的として、高度なソフトウェアとスマートな機械を開発しています。自動化とビジネス成長を促す革新的な機械の開発を目標に、現在ヨーロッパ、アジア、米国のクリーニング事業者にサービスを提供しています。Inwatecの機器は、色や重さなどの特徴で洗濯物を仕分けます。また、ペン、注射器、工具、弾薬といった異物が洗濯機に混入するのを防ぎます。

Inwatecのロボティクスおよび自動化ソリューション
クリーニング業界の将来を見据えながら競争力を保てるようにするInwatecのロボティクスおよび自動化ソリューション。

クリーニング業務を高速化

運用、エンジニアリング、ソフトウェアエンジニアリングを専門としたInwatecのハイパフォーマンスチームは、市場向けに現在そして将来のテクノロジーを開発するという役目を担っています。製品の質を確保するため、そして新たなインサイトを得るためにInwatecが目をつけたのはElastic®でした。AWS上のElastic Cloudを通じてデプロイし、ログ収集のモダナイズにつなげます。これまでは生のログファイルのみでコレクションが形成され、インサイトを得たいときはソフトウェアエンジニアが正規表現を記述してデータを抽出しなければなりませんでした。チームはElasticを実装することで迅速かつ広範囲にログからインサイトを得られるようになったため、テクノロジーのパフォーマンスは高いままに、バグをすばやく解決し、MTTRを短縮することが可能になりました。

チームは、Elasticでの最初の成功体験を基に、すばやく直感的にデータを収集できれば他にもメリットがあるはずだと考えました。たどり着いた先が、Inwatec製品のコアコンポーネントたるディスプレイシステムです。オペレーターや工場長が、Inwatecの機械で仕分けされた洗濯物の累計などのパフォーマンスメトリックを確認することができます。機械が動作する速度や、クリーニングのために集められた洗濯物、紛失した洗濯物の数を追跡するのに便利なこの機能ですが、当初PLCパネルのパフォーマンスメトリックにはスループットデータしか含まれておらず、工場長は機械で直接数値を調べてExcelに手動で打ち込まなければなりませんでした。そこでInwatecは、彼らがシステムのパフォーマンス、ボトルネックとその緩和方法について有益なインサイトを得られるよう、コアツールとしてElasticを活用することにしました。結果、ローカルネットワークのポートを開くことが可能になり、工場長が自分のいるオフィスから統計(および履歴データ)を直接表示できるようになりました。ElasticのパフォーマンスとKibana®の使いやすさは、顧客に最大限のサービスを保証する上で欠くことができないものでした。

InwatecのKibana
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工場長たちの満足度は非常に高いです。わざわざスプレッドシートに数字を打ち込まなくても可視化が可能になりました。オフィスのPCからシステムにアクセスして、並外れて便利なKibanaのグラフでデータを確認することができます。

アレックス・ホルバーグ氏、ソフトウェアエンジニアリング、Inwatec
ElasticとInwatecの関係を示す図

優れたカスタマーサービスを保証

顧客のシステムに問題が発生した場合は、営業を再開できるよう速やかに解決することが何よりも重要です。Inwatecは、増加の一途をたどるテレメトリーを現場の機械から集める方法を求めていました。Elasticを実装することで、カスタマーサービス部門がパフォーマンスの問題をトラブルシューティングして詰まりの発生が疑われる場所を見つけられるようにしました。これにより故障が迅速に解消されるだけでなく、必要な予備部品をサービスチームがすばやく判断して顧客に送ることも可能になりました。

機械チームもElasticを使用して、システムに最適化の余地がないかどうか調べています。また、システムの実際的な統計を集めることでモジュールのパフォーマンスを検証しています。問題がソフトウェアに関係するようであれば、OTチームは迅速なログ分析によって根本原因を導き出し、顧客の問題を速やかに解決することができます。

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Elasticは、インシデント発生時でも可能な限りサービスを提供しようとする私たちをサポートしてくれます。また、機械の部品の交換やクリーニングの頻度を十分な情報に基づいて判断できるのも助かっています。

アレックス・ホルバーグ氏、ソフトウェアエンジニアリング、Inwatec
InwatecのTHORが行う自動化
自動クリーニング仕分けシステムTHORを利用すれば、汚れた洗濯物が自動的に分離されるので手で仕分ける必要がありません。100台以上のロボットを世界中に展開するInwatecは、業界に変革を起こす存在です。

データドリブンなクリーニングという新時代

InwatecはElasticを採用したことで、質の高いデータにすばやくアクセスできると共に、製品のパフォーマンスについてのインサイトを即座に得られるようになりました。このことがInwatecをさらに革新的にして、より優れた製品の開発を促しています。微調整や設計の変更を行ったら、システムの中で洗濯物が実際に洗われる様子についてリアルな統計を次の日に確認し、影響を知ることもできます。またElasticは優れたマーケティングツールとしても収益増進に貢献しています。ランドリーを訪れた潜在顧客が"Kibanaボタン"を押せば、Inwatecの製品の強みや、システムのさまざまなデータを確認することができます。

今後Inwatecは他のユースケースにもElasticを活用していきたいと考えています。たとえば予知保全を実施すれば、調整を行って障害の発生前に修理することが可能です。システム内の多数のコンポーネントについて障害リスクを予測することも、摩耗した部品を今すぐ交換した場合のパフォーマンス強化を見積もることも、Elasticで実現できるとInwatecは考えています。

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サービス部門で、このようなやり取りがあれば理想的です。 Inwatecサービス:「お世話になります。予備のモーターを送付したのでご連絡いたしました」 ランドリー:「すみません、故障している機械などありませんが。なぜ、予備のモーターをお送りいただいたのでしょうか」 Inwatecサービス:「すぐにお分かりになりますよ」

アレックス・ホルバーグ氏、ソフトウェアエンジニアリング、Inwatec

ゲスト執筆者

Alex Holberg

Software Engineer, Inwatec

Alex, a software engineer at Inwatec, is dedicated to laundry automation technology. When not working with robotics and automation solutions, he enjoys building unique projects like his Kibana-powered office cake alarm.

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