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オープンへの新たなる挑戦

X-Pack(Security、Monitoring、Alerting、Graph、Reporting、APM専用UI、Canvas、Elasticsearch SQL、Search Profiler、Grok Debugger、Elastic Maps Serviceズームレベル、Machine Learning)のコードを公開することを案内いたします。 顧客やコミュニティとの素晴らしいコラボレーションを促進するのが目的です。

オープンソース製品に関してこれまで築き上げてきた方法や、その方法に関してオープンであることについての責任や革新について妥協していないことに誇りを持っています。将来に目を向けると、オープンソースに関連する成功した、持続可能なビジネスを構築するための新しく効果的なモデルを導入する一方で、基本的な方向でより透明性のあるものへ挑戦していく機会を見つけました。

このブログは私たちが行う変化についての詳細と考え方のアウトラインです。しかし、1つだけはっきりさせてください。私たちはオープンソースカンパニーです。そしてこれからも、オープンソースカンパニーであり続けます。私たち(オープンソースにコミットしている私自身やチーム)は、これまでよりもよりオープンになります。

なぜオープンソース?

Elasticsearchとなったソフトウェアを最初に書き始めたとき、それがオープンソースであるべきだと思っていました。オープンソース(開発手法と配布モデル)は多くの人たちに働きかけることができる機会を提供します。すべての人々は貢献できます。また、コードに貢献するのはもちろんですが、自由に利用可能なソフトウェアを使用し、その可能性をさらに広げていく事ができます。

コミュニティに関わることとは、プロジェクトが成功している時、新しい機能を開発し、製品を新しく興味深い分野に躍進させる熱心で情熱的な開発者のグループがあるということです。例えば、分析のためにスケーラブルな製品として使用できるよう、ElasticsearchにAggregationが導入されました。KibanaやLogstash、Beatsのようなプロジェクトは、私どもの技術の利用にインスパイアされたものです。さらに、ユーザのニーズがより深く専門的になり、Mahine Learning、APMやサイトサーチなどの新しい機能や製品により、それらのニーズをサポートするための新しい方法を発見しました。

オープンソースへの約束はより深いものになります。それは私たちのエンジニアリング活動の大部分を占めています。また、貢献していただいた方々、ユーザの方々のコミュニティは、私たちが行っている革新に非常に重要です。しかし、これらの製品が成長していくためには、著しい投資が必要であり、そのために私たちはこの技術に関する会社を立ち上げました。

なぜ商用ソフトウェア?

私たちはオープンソースソフトウェアの考え方を深く信じているのに、なぜ商用ソフトウェアも作っているのでしょうか?

私たちはビジネスです。ビジネスには対価が必要です。引き換えに、私たちの責任は、私たちがユーザ全てに対して価値のある機能を追加し続けることと、私たちとの商業的な関係が私たちの顧客に価値をもたらすことを確実にするということです。これは、健全な会社になるために必要なバランスです。

一般的なオープンソースビジネスモデルは、サポートサブスクリプションを提供することです。残念なことに、サポートのみのビジネスモデルは、ユーザにとってベストなことと、会社にとってベストなこととの間に不一致が生じます。このような状況において、サポートの利益を制限してしまうため、会社はユーザがより簡単に使え、より信頼でき、スケーラブルなプロダクトを作るというモチベーションを失ってしまいます。私たちは決してそのようにはなりません。ビジネスにとどまることを確実にするためにも、ソフトウェアをより良いものにしていきます。私たちは継続的に改善します。また、サポートの目的は、あなたのプロジェクトを成功に導くこと、皆さんがElastic Stackのデプロイの専門家になることです。Elastic Stackを次のプロジェクトにも選んでいただき、成功していただくことを望んでいます。

(私が話しているのを聞いたならば、これについて検討していたと聞いたであろう)もう1つの一般的なアプローチは、ソフトウェアの「Enterprise Edition」を作ることです。これは、本質的にはコミュニティの崩壊を導き、顧客と「ユーザー」の間に溝を作り出します。その結果、(EnterpriseやCommunity Editionのような)「信頼できる」と考えられるバージョンを作り出し、マスターブランチとの差が発生します。あるバージョンは機能が足りないものになります。また、あるバージョンは異なるサイクルでテストされ、リリースされます。あるバージョンは、商用の機能を有効にするために変更されたことについて知る事ができないような、オープンソースコードだけど閉じているものになります。Elasticでは、顧客の全てがオープンソースユーザであり、ソフトウェア製品も同じバージョンを利用しています。コミュニティ vs エンタープライズエディションを作るつもりはありません。

あとは何が残っているかというと?高価値の機能を明確にし、それらをコアソフトウェアに商用拡張機能として提供する事です。このモデルは時に、「オープンコア」と呼ばれ、X-Packの作成に関するものになります。知的財産(IP)を維持しつつ、サブスクリプションや無償の基本機能を提供しながら、機能や可能性を統合します。私たちの知的財産の管理を維持することにより、オープンソースを提供し、コアの機能を改善し続けるためのエンジニアリングの時間やリソースの大部分への投資を行うことができます。

これは、具体的な問題を解くためにElastic Stackを利用している方法に驚いている従業員が世界中で働く会社を築くことができるアプローチです。ユーザーが利用できる機能や可能性を追加することは、将来にわたって持続可能なものを開発することです。

しかし、このアプローチはチャレンジングです。

さらにオープンに

X-Packの無償で利用できる機能があることをご存知ですか? Monitoring、Search Profiler、Grok Debugger、Elastic Mapsのextra zoom levelなどの機能は全てのユーザーに対して無償で提供されています。また、この無償提供の機能には今後CanvasやElasticsearch SQLといった機能が追加されていくことをご存知ですか?

X-Packの無償の機能を提供し始めたとき、これらの機能がElastic Stackのユーザーのために役立つものであると確信していました。しかし残念なことに、これらの機能をご存知(ご利用)の方はごくわずかです。これは、私たちのソフトウェアを最大限活用できていないということを意味していました。

私たちはこのX-Packの無償提供機能を利用するための手順の中に、クラスター全体の再起動が含まれているという問題も認識していました。また、ユーザーがコードを見ることができないということもです。これらの無償機能は多くのユーザーに関わっていますが、次のような質問などを私たちにすることが難しい状況でした。「無償機能についてどのように質問、議論すればいいですか?」「問題の報告や貢献するためのチケットはどこに作ればいいですか?」

それについて私たちはうまく回答できていませんでした。

X-Packのコードを公開することにより、私たちのプロダクトのある部分を公開し、そのほかの部分が非公開であるという問題を解決することができます。無償機能と有償機能の両方のための問題に関して、チケット(Issue)を作ることができ、議論を見ることができ、ソースコードを調べ、私たちと共に開発し、プルリクエストを送ることが、もうすぐできるようになります。

詳細について

技術的にはどういう意味でしょう?

6.3のリリースで、私たちの製品($PRODUCT = Elasticsearch、Logstash、Kibana、Beats)のリポジトリに対し

  • 既存のApache 2.0ライセンスのコードは、これまで同様のライセンスで変更なくメンテナンスします。
  • X-Packの新しいフォルダーを作成し、特定の派生物や貢献を許可するElastic EULAの元にx-pack-$PRODUCTのコードをそのフォルダ配下に移行します。
  • トップレベルのライセンスをシンプルなElastic Licenseに変更します。これは、このリポジトリにApache 2.0のファイルとElastic EULAのファイルが共に存在しているということを表すものです。

また、X-Packの機能がデフォルトのディストリビューションに含まれる形で提供します。 全ての無償機能はデフォルトで利用できる形で含まれ、"失効(expire)"することはありません。 商用(有償)機能については、試用ライセンスに同意して利用できます。無償機能のライセンスは決して失効しないため、これらの機能を利用するために何か登録するといった必要は無くなります。このディストリビューションとは別に、Apache 2.0部分のみのディストリビューションもダウンロード可能にします。

詳細の情報、FAQなどについてはOpening X-Packページをご覧ください。

まとめ

私たちはオープンソースを信じています。ディストリビューションモデルとして。ビジネスを築く方法として。そして、会社の将来について。私たちは、オープンであることについて約束し維持していきます。また、6.3でこれまで以上にオープンになることにワクワクしています。

私たちを信頼していただき感謝しています。