AIアシスタント、OTelでの標準化、継続的プロファイリング、ログ分析の強化でオブザーバビリティを変革
Elasticオブザーバビリティを導入すると、AIアシスタントを通じて高精度のインサイトを取得したり、OpenTelemetry(OTel)で標準化された最適なソリューションを活用したりできます。Elasticオブザーバビリティはプロファイリングの実装で拡充され、ログ分析も強化されており、問題解決の時間短縮を実現できます。
AIや生成AIの出現により、オブザーバビリティの新時代が到来しています。これらのAIテクノロジーが主流になるのに伴い、オブザーバビリティは、手動による事後対応的なプロセスから、問題の自動診断と修復という、より事前対策的なAI主導のアプローチへ進化していくことが予想されます。
モノリシックアプリケーションがデータセンターで実行され、ソフトウェアの更新頻度が低かった時代は、遠い昔になりました。当時の運用チームはテクノロジーのサイロを監視するためにサーバー、ネットワーク、ストレージ向けの各ツールを使用し、データを手動で分析し、他のチームとのオンコールカンファレンスブリッジを使用して問題を特定、トリアージ、解決していました。クラウドが登場すると、その複雑さ、インフラの抽象化、開発サイクルの高速化により、運用チームとSREチームは、これらの新しい「未知の不確定要素」に対処するにあたってオブザーバビリティが必要になりました。 現在は、オブザーバビリティツールを利用することで点と点をつなぐのが多少容易にはなりましたが、作業全体は依然として手動であり、チームはツールのサイロ化とコストの急増という課題に直面しています。
Elasticは、長年にわたるAI、機械学習(ML)、ベクトルデータベース、Elasticsearch Relevance EngineTM(ESRE)、検索拡張生成(RAG)における経験とイノベーションにより、AIベースのオブザーバビリティという新時代にITチームを導くうえで充分な能力を備えており、メトリック、ログ、トレース、プロファイリングを1つのプラットフォームに統合して、アクション可能なインサイトを提供します。
RedMonkのシニアアナリストであるケリー・フィッツパトリック氏は次のように述べています。
2023年のオブザーバビリティは、ますます複雑化するシステムを管理しながら、革新的なテクノロジーと新たなスタンダードをうまく使いこなすことが課題となります。Elasticは、この進化し続ける運用環境に適応するように設計されたツールで、組織がこれらの課題に対処できるよう支援することを目指しています。OpenTelemetryへの取り組みを強化し、ユニバーサルプロファイリングを一般に利用できるようにするとともに、オブザーバビリティ向けのAIアシスタントを提供することで、SREチームがシステムのコストと複雑さをより適切に管理できるよう尽力しています。
インタラクティブなElastic AI Assistantを使用して、コンテキストを認識したアクション可能なインサイトで運用インテリジェンスを強化
Elasticは、長年にわたって積み上げてきた機械学習の専門知識と、生成AIプラットフォームとの統合を活用して、コンテキストを認識した関連性の高いAI駆動のインサイトによってオブザーバビリティを変革してきました。Elasticsearch Relevance Engine(ESRE)を活用したElastic AI Assistant for Observability(現在テクニカルプレビュー中)は、アプリケーションのエラー、ログメッセージ、アラートの理解を強化し、最適なコード効率を得るための提案を提供します。さらに、SREはElastic AI Assistantの対話型チャットインターフェースでのインタラクティブなチャットを通じて、関連するすべてのテレメトリーを1か所で視覚化するとともに、組織独自の内部情報を修復に活用することができます。
ユーザーは手順書、過去のインシデント履歴、ケース履歴などのプライベートデータをアシスタントに提供できます。アシスタントはElastic Learned Sparse EncodeR(ELSER)ベースの推論プロセッサーにより、質問への回答やタスクの遂行に必要となる最も関連性の高いデータにアクセスします。アシスタントは学習機能を備えており、継続的な使用とガイド付きの学習を通じてナレッジベースが成長します。SREから特定の問題について教育を受けることで、今後同じシナリオが生じた際にサポートを提供できるようになり、障害レポートの作成、ランブックの更新、自動修復の強化にも対応可能になります。SREは、Elastic AI Assistantと機械学習の機能を組み合わせて利用することで、サイロ化したデータを手動で探し回る手間や煩雑さをなくし、問題をより迅速かつ能動的に特定、解消できます。
Elastic AI Assistantは、ビジネス固有の内部情報をLLMに組み込むことで、問題の特定と解決のスピードアップやチームのAIOpsの強化に役立つ、関連性の高い結果を提供します。
オブザーバビリティの問題解決に役立つ、コンテキストを認識したインサイトをElastic AI Assistantがどのように提供するかについて詳しくは、こちらをご覧ください。
OpenTelemetryでの標準化、ログ分析の強化、新しいシグナルであるユニバーサルプロファイリングによって運用効率を向上
OpenTelemetryに対するElasticのさらなるコミットメント
ElasticはOpenTelemetry(OTel)をネイティブサポートしており、大半のユーザーがElasticオブザーバビリティとElastic Securityのスキーマやデータ収集アーキテクチャとしてOTelを選択する未来に向けて準備を進めています。OpenTelemetryに対するElastic Common Schema(ECS)の貢献を基盤として、OpenTelemetryを業界標準として確立するための取り組みと投資を強化しています。このようなElasticの注力により、お客様はオープンスタンダードの採用やオープンインジェストのメリットの活用を進めやすくなっています。Elasticは現在もOpenTelemetryへのさらなる貢献を続けており、SREは近い将来、標準化された方法でメトリック、ログ、トレースを取り込み、コストを削減し、可視性を高め、ベンダーロックインのない体制を確立できるようになります。
OpenTelemetryとElasticを使用して、主要な言語のインストルメント、標準化されたオープンログフォーマット(ECS)の採用、AIとMLによるデータ分析を実現し、OpenTelemetryを活用したベンダー非依存の体制を確立する方法については、こちらをご覧ください。
ユニバーサルプロファイリングで演算効率を最適化
ElasticのユニバーサルプロファイリングTM(一般提供が開始)は、企業におけるコスト管理、リソースの最適化、持続可能な成長を後押します。複雑なクラウドネイティブ環境では多くのコンポーネントを装備することができないため、SREチームにとっての盲点がしばしば発生します。ユニバーサルプロファイリングは、ゼロインストルメンテーションと低オーバーヘッドを常時実現し、サードパーティのライブラリを可視化してパフォーマンスのボトルネックを特定します。これによって組織は、問題の迅速な解決はもちろん、クラウドコストを削減し、インフラの二酸化炭素排出量を削減できます。SREはユニバーサルプロファイリングを活用することで、リソースを消費するコードを細かく把握し、コンピューティングサイクルを最適化したりボトルネックを迅速に特定・解決したりできるようになります。
ログ分析手法の強化
Elasticのログ分析手法が強化され、SREは独自のログルーティングプロセッサーを使用したログ分類の自動化、ログデータのさらなる処理や強化、AIによるログ分析のサポートを実現できるようになりました。SREは、Elasticの機械学習アルゴリズムを使用して、ログスパイクの分析、パターン検知、異常探索、変化点検出を自動化できます。また、Elasticオブザーバビリティのログインジェストが、OpenTelemetryによるオープンインジェスト、数百ものすぐに使える統合機能群やカスタム形式をサポートするようになっており、そのすべてを最適なコストとパフォーマンスで利用できます。Elasticのログ分析手法の強化は、ストレージコストの削減、運用効率の向上、問題解決までの時間短縮にもつながっています。
ログの活用とElasticによる支援について詳しくは、こちらをご覧ください。
オブザーバビリティの未来へのビジョンを実現
Elasticは、フルスタックオブザーバビリティソリューションを継続的に変革・実現しており、SREチームがアクション可能なインサイトで複雑なハイブリッド/マルチクラウド環境を管理できるように支援しています。ElasticのAIと機械学習への投資と一元的でオープンかつ柔軟なプラットフォームは、お客様のニーズに応え続けており、オブザーバビリティの未来の変革にも貢献します。Elasticのビジョンについて詳しくは、RedMonkのシニアアナリストであるケリー・フィッツパトリック氏とのディスカッションをご覧ください。
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