コミュニティ行動規範
世界中からメンバーが集うElasticコミュニティにとって、多様性は大きな強みの1つです。本コミュニティ行動規範は、バックグラウンドやアイデンティティを異にするメンバーも互いに思いやりを持ちながら、すべてのElasticコミュニティメンバーがコミュニケーションを取る方法を考える手引きとして作成されています。私たちは互いに学びを支え合い、スキルを高めながらスケーラブルな検索機能を向上させるためにコミュニティに集っています。
要約バージョン
Elasticコミュニティ行動規範はElasticイベントとオンライン空間の両方に適用されます。特定の空間や振る舞いが行動規範の対象となるかわからない場合、Elasticは報告者ガイドラインを使って報告することを推奨しています。
Elasticは年齢、社会階層、市民権、障がい、教育、エスニシティ、ジェンダーアイデンティティ/ジェンダー表現、在留資格、経験の水準、ニューロダイバーシティ、身体的外観、身体の大きさ、国籍、社会経済的状況、性的志向、人種、宗教(ないしその有無)にかかわらず、すべての人にポジティブな経験を提供するため専心的に取り組んでいます。
Elasticは、Elasticコミュニティがコミュニケーションとコラボレーション、貢献を行うための素晴らしい空間として成長し続けることができるよう、いくつかのコミュニティガイドラインを定めています:思いやりと忍耐力を持ち、敬意を払い、礼儀正しくする;効果的にやり取りし、確信がない時は助けを求める。
Elasticはグローバルで多様性に富んだコミュニティです。多様性に関するディスカッションになじみがないという方に対して、Elasticはコミュニティにおいて社会的なマイノリティグループを支援するための各種ガイドラインに従うことを推奨しています。社会的なマイノリティグループの実際の経験は有用であることを認める。多様性に関する強い感情は、友人と共有して対処する。社会的なマイノリティグループに耳を傾け、一方で彼らに対し教育的負担を課さないように努める。よりインクルーシブになるための学習に常に前向きでいる。差別に関して語っている人の口調への批判を慎む。インクルーシブな文化の創造には時間とエネルギー、リソースが必要であることを理解する。上に挙げた各ガイドラインの詳しい説明については、コミュニティ行動規範の完全版をご覧ください。
Elasticイベントとオンライン空間では、許容されない特定の種類の振る舞いがあります。不適切な振る舞いに、次の内容が含まれます:意図的な脅迫、ストーキング、追跡;イベントにおいて嫌がらせとなる写真撮影ないし録音;オンラインディスカッション/会話/他のイベントにおける持続的な妨害行為;アルコールを摂取しない人へのハラスメント;性差別や人種差別、同性愛嫌悪、トランスフォビア、障がい者差別に基づく、あるいは他の排他的発言;性を強調する環境に寄与する、歓迎されない性的注目や振る舞い;歓迎されない身体的接触;暴力、ないし暴力を示唆する脅迫;Elasticイベントへの武器の持ち込み;不適切な振る舞いを誘導、ないし助長する行為。
不適切な振る舞いがあった場合の対応については、Elasticのインシデント対応計画(Incident Response Plan)に概要を記載しています。Elasticメンバーは、Elasticのインシデント対応計画(Incident Response Plan)に記載の通り、Elasticによる個人情報の処理に同意することとなります。
範囲
Elasticコミュニティ行動規範はすべてのElasticオンラインフォーラムに適用されます。Elasticオンラインフォーラムには、メーリングリスト、wiki、Webサイト、コードレポジトリ、IRCチャンネル、SlackコミュニケーションをはじめとするElasticに関する空間を含みます。また、Elasticコミュニティ行動規範は、やり取りの中に付きまとい、嫌がらせ、差別、暴力による脅し、Elasticコミュニティメンバーの身体的、ないし精神的安全に影響を及ぼすその他の振る舞いが含まれる場合、Elasticコミュニティメンバー間の私的なやり取りにも適用されます。
Elasticコミュニティ行動規範はすべてのElasticイベントに適用されます。Elasticイベントには、Elasticのオフィシャルイベントやmeetup、Elastic{ON}ツアー、トレーニングコース、勉強会、オフィシャルではないElasticイベントを含みます。本行動規範は、すべてのイベント会場と、イベントに関連するソーシャルイベントに定期用されます。イベント主催者チームを含むイベントのすべての出席者、スピーカー、スポンサー、ボランティアは、本行動規範に従う必要があります。イベント主催者は、イベント全体を通じてElasticコミュニティ行動規範を厳密に施行することが求められます。
Elasticは、Elasticのオンラインおよびイベント空間に参加するすべての参加者に対し、すべての人にとって安全で、快適な環境を確保するためのご協力をお願いしています。
Elasticの基準
Elasticは次の項目にかかわらず、すべての人にポジティブな経験を提供する取り組みに専念しています。
- 年齢
- 社会階層
- 市民権
- 障がい
- 教育
- エスニシティ
- ジェンダーアイデンティティ/ジェンダー表現
- 在留資格
- 経験の水準
- 身体的外観/身体の大きさ
- 国籍
- ニューロダイバーシティ
- 性的志向
- 社会経済的状況
- 人種
- 宗教(ないしその有無)
コミュニティガイドライン
Elasticでは、いくつかのコミュニティガイドラインの遵守をお願いしています。コミュニティの規範を明確にすることで、Elasticコミュニティはコミュニケーションとコラボレーション、貢献を行うための素晴らしい空間として成長し続けることができると考えているためです。ガイドラインが不明瞭だと感じる状況では、ガイドラインの精神に沿って行動していただくことを推奨しています。
- 思いやりを持つ:他の人があなたの成果物を使用することも、あなたが他の人の成果物を使用することもあります。あなたが下す判断は、ユーザーやメンバーに影響を与えます。判断を下すときは、周囲への影響を含む結果をよく考慮する必要があります。
- 忍耐ある行動:主にフォーラムやメーリングリスト、コードのコントリビューションなど、非同期的なコミュニケーションに関する規範です。コミュニティは多くの場合、参加者やオーガナイザーのボランティア活動によって成り立っています。あなたが投稿した質問やコードのコントリビューション、提案に対して、すぐに返答がないこともあります。忍耐強く、コミュニティの規範を考慮して行動してください。1回のリマインダーなら問題ありませんが、短期間に連続して何度も催促するやり方は、適切とは言えません。同じ質問を複数のスレッドに投稿する行為も、迷惑となるため控えてください。
- 敬意を払う:全員の意見が一致しないこともあります。しかし、意見の相違は、不適切な行動やマナーの理由になりません。誰もが時に不満を感じることがあります。しかし、不満から個人的な攻撃を行うことは許されません。参加者が不快に感じる、または脅かされていると感じるコミュニティは、生産的な結果を生み出しません。この点を心に留めておくことが大切です。Elasticコミュニティでは、Elasticコミュニティの外部でのコミュニケーションと同じように、敬意を持って他のメンバーとコミュニケーションすることが求められます。
- 礼儀正しくする:コミュニティのメンバーに対して丁寧に、敬意を持って、礼儀正しく接してください。
- 効果的にやりとりする:コミュニケーションを明瞭にすることで誤解を回避できます。また、言葉やフレーズは、個人のバックグラウンドによって異なる形で解釈される可能性があることを心に留めておきましょう。推測するよりも、不明点について明確な説明を求めることが推奨されます。社会的、および技術的な意見の相違はよくあることで、それ自体に問題はありません。しかし、プロジェクトの参加者には、意見の相違を建設的な方法で解決することが求められます。非難の応酬や煽り行為、個人的中傷、反復的議論は控えてください。ElasticのさまざまなフォーラムやIRCなどで効果的にプロジェクトに参加し、コミュニケーションを取る方法についてのリソースがこちらにあります。
- 確信がない時は助けを求める:Elasticのコミュニティは、誰に対しても「完璧であること」は求めません。早めに質問すれば、その後の多くの問題を回避することができるので、質問は歓迎です。しかし、質問は適切なフォーラムに投稿される必要があります。質問を受けた人は応答し、親身に回答してください。
多様性へのサポート
Elasticはコミュニティの多様性の価値を評価しています。多様性に関する話題になじみがないという方に対して、Elasticはコミュニティで社会的なマイノリティグループを支援するため各種のガイドラインを用意しています。
- 社会的なマイノリティグループの実際の経験は有用であることを認める。私たちはコミュニティの各メンバーは過去の経験やバックグラウンド、アイデンティティに基づいて世界を異なった形で経験することを認識しています。私たちは自身の経験をコミュニティの会話に持ち込むこと、そして他の人が異なった形で実際に経験したことから学ぶため、オープンな姿勢を保つことの両方を奨励しています。
- 多様性に関する強い感情は、友人と対処する。。過去に差別を経験したことがない場合、差別について学ぶことで不快に感じたり、動揺したり、腹が立ったりするかもしれません。世界が不公平であることを知らずにいたことについて、悲しみを覚えるかもしれません。無意識の偏見を持っていたことに罪悪感を覚えるかもしれません。困難に関する経験を差別と見なされないために、排除されたと感じる可能性もあります。このような感情を、このコミュニティで社会的なマイノリティグループが直面する差別について理解ある、類似のバックグラウンドを持った人と対処することを推奨しています。
- 社会的なマイノリティグループに耳を傾け、一方で彼らに対し教育的負担を科さないように努める。私たちはElasticコミュニティのメンバーに対し、自身とは異なる実経験に好奇心を持つことを推奨しています。一方、このコミュニティにいて社会的なマイノリティグループに属する人は、その経験について説明するよう求められることが少なくありません。差別に関して講義したり事例を提供することは、精神的な負荷を伴う可能性があります。私たちはコミュニティのメンバーに対し、このコミュニティに参加する社会的なマイノリティグループに属する人に講義を求める前に、自身でリサーチを行うことをお願いしています。コミュニティのメンバーが多様性に関する話題に言及することを望まない場合、その考えを尊重してください。話題の範囲について合理的なコミュニケーションを行うことは、本行動規範に違反しません。
- よりインクルーシブになるための学習に常に前向きでいる。よりインクルーシブになる方法について話すことは、Elasticコミュニティにとって重要です。メンバーが差別的な振る舞いを目撃した場合、Elasticは本行動規範の委員会に報告することを推奨しています。またElasticは、コミュニティのメンバーが、コミュニティ内で社会的なマイノリティグループにネガティブな影響を与える振る舞いに対し私的に、または公的に批判する可能性があることを認識しています。このような批判は、本行動規範に違反しません。
- 差別に関して語っている人の口調への批判を慎む。差別や、人とは異なる実体験について語ることは難しい場合があります。このコミュニティにいて社会的なマイノリティグループに属する人は、偏見に基づく、または差別的な発言を受けて過去のネガティブな経験を思い起こす可能性があります。このようなネガティブな経験はしばしば強い感情を喚起し、結果としてよりストレートな口調での発言につながることがあります。Elasticはコミュニティのメンバーに対し、差別について話す際の口調を批判することよりも、他者の差別に関する体験を認めることを推奨しています。
- インクルーシブな文化の創造には時間とエネルギー、リソースが必要であることを理解する。Elasticは差別、ハラスメント、無意識のバイアス、構造的な不平等が存在することを認識しています。Elasticコミュニティに社会的なマイノリティグループから参加する人は、このようなことが原因で、リソースや機会へのアクセスが乏しい状況にある可能性があります。このような問題について行動し、また問題を正すことは、Elasticコミュニティにとって重要です。コミュニティのどのような変化にも、リソース(時間、影響、資金)が必要です。私たちは、過去の偏見と差別を是正するため、こうしたリソースを投入してゆくことを公に認めています。
不適切な振る舞い
私たちはElasticコミュニティのすべての参加者にとって、コミュニティでの体験が可能な限り最高のものとなることを望んでいます。その意味を明確に定義するため、ElasticはElasticのコミュニティ空間において不適切な振る舞いのリストを提供しています。
- 意図的な脅迫、ストーキング、追跡
- イベントにおいて嫌がらせとなる写真撮影ないし録音。写真や動画を撮影されることを望まないことを表明する人がいる場合、その選択を尊重してください。許可を取らずに撮影した写真を削除、あるいは消去するよう求められた場合は、求めに応じてください。イベントが雇用するカメラマンを含め、撮影者がコミュニティメンバーの多様なグループを写真に収める目的で参加者を追跡すること、ないし付きまとうことは認められません。一部のElasticイベントでは、「写真を常時許可します」、「写真の撮影可否についてたずねてください」、「写真は不許可です」という3種類のストラップを配布しています。参加者はストラップのタイプを確認し、「写真の撮影可否についてたずねてください」という表示がある場合は写真や動画を撮影する前に許可を取ることが求められます。撮影許可のストラップを配布していないイベントでは、参加者は常に写真を撮る前に許可を取ることが求められます。ストラップのタイプにかかわらず、参加者の顔が映らない集団写真(多数の人々が映り込む写真)は認められます。イベント登壇者(スピーカー)がトークの録音を希望しない場合、イベント主催者に通達することができます。
- オンラインディスカッション/会話/他のイベントにおける持続的な妨害行為。トークやプレゼンテーションを含むイベント/オンラインディスカッション/ミーティングを持続的に妨害する行為は許容されません。これには、イベント登壇者の"トークを中断させる発言"やトーク中に"野次をとばす行為"、イベントセッション中に聴衆の行為を煽り、敵対心を生じさせる行為が含まれます。持続的な妨害行為としてこの他に、過度のアルコール摂取や娯楽目的の過度なドラッグ使用、ならびにそれらを他の参加者に強く勧める行為も含まれます。
- アルコールを摂取しない人へのハラスメント。アルコール飲料やその他の物質の摂取を控えている人に対し、軽蔑的なコメントをする行為は容認されません。他の参加者に対し飲酒を強いる行為、参加者の飲酒の拒否や選択的志向を第三者に明かす行為、物理的に、ないし冷やかしを通じて飲酒の圧力をかける行為は容認されません。
- 性差別や人種差別、同性愛嫌悪、トランスフォビア、障がい者差別に基づく、あるいは他の排他的発言。これには、本人が特定していないジェンダーで他の参加者を呼称する行為、ないし、個人のジェンダーアイデンティティの正当性に疑問を唱える行為が含まれます。その単語が相手を中傷するかどうか確信を持てない場合、その単語を使用しないでください。前述の内容には、反復的でわかりにくい、ないし間接的な差別が含まれます。
- 性を強調する環境に寄与する、歓迎されない性的注目や振る舞い。これには、やり取り/コミュニケーション/プレゼンテーションにおける、性を強調するコメントやジョーク、比喩表現や、不適切な接触、グループ化、性的誘惑が含まれます。スポンサーが性を特に強調する画像、行動、ならびにその他の資料等を使用することは認められません。集会を主催するスタッフおよびボランティアとして参加する主催者が、性を強調する服装/制服/コスチュームを使用すること、ならびに性を強調する環境を用意することは認められません。
- 歓迎されない身体的接触。これには、頭髪や、妊娠中の腹部、移動用機器(車椅子、スクーター等)、タトゥーをはじめとするセンシティブな領域を含め、許可なく他の参加者に触れる行為が含まれます。また、他の参加者を物理的に妨害ないし脅迫する行為も含まれます。積極的な同意のない身体的接触やその模倣表現(例:キスを表す絵文字)も認められません。これには、性を強調する画像や文章の共有ないし配布も含まれます。
- 暴力、ないし暴力を示唆する脅迫。暴力、ないし暴力を示唆する脅迫は、オンラインでもオフラインでも認められません。これには、個人による自傷行為の助長を含む、あらゆる個人に対する暴力の扇動行為が含まれます。またこれには、他の参加者を個人として特定する情報をオンラインに投稿する行為(晒し行為)ないし、その脅迫が含まれます。
- Elasticイベントへの武器の持ち込み。イベント会場への武器の持ち込みは認められません。これには(火器を含む)爆発物、銃器類、狩猟や展示に使用される大型刃物類、および、他の参加者を負傷させ、または害を与える目的で使用されるあらゆる物品を含みますが、これらに限定されません。上述の物品の1つを所持していることが認められた参加者は、即時に退場を求められ、武器を所持しない状態に限り再入場が認められます。
- 不適切な振る舞いを誘導、ないし助長する行為。本行動規範に違反するよう他の参加者を誘導する、ないし助長する行為は、本行動規範への違反行為と同等とみなされ、対処されます。
不適切な振る舞いを中止するよう求められた参加者は、即座に指示に従う必要があります。インシデント報告の主体であるメンバー、または、不適切な振る舞いを報告しようとするメンバーの個人データは、インシデント対応計画(Incident Response Plan)の定めに従って処理されます。コミュニティメンバーは、この処理に同意することとなります。
行動規範インシデントの報告
Elasticはコミュニティメンバーに対して、報告者ガイドラインに従い、Elastic行動規範委員会に行動規範インシデントを報告することを推奨しています。報告書は、インシデント対応計画(Incident Response Plan)に基づいて扱われます。インシデント報告の主体であるメンバー、または、不適切な振る舞いを報告しようとするメンバーの個人データは、インシデント対応計画(Incident Response Plan)の定めに従って処理されます。
ライセンスと帰属
このElasticコミュニティ行動規範はクリエイティブ・コモンズ表示—継承3.0ライセンスにより使用許諾されます。本行動規範はOtter TechのSage Sharp氏により更新されました。Elasticコミュニティ行動規範は次のプロジェクトを含むオープンソースプロジェクトの行動規範にインスピレーションを得ており、またコンテンツを借用しています。