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ブローダービズ株式会社 : データのインデックスから ダッシュボードを組み立てるまでを一気通貫に進める

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AIイネーブラー/ AIインテグレーターのブローダービズ株式会社は、東京都が実施した「令和3年度西新宿エリアにおける 5G を含む先端技術を活用したスマートシティサービス実証事業」において人流などの多彩な情報の活用面を担当。歩道を通過した人の方向別の人数、
立ち止まっている滞留人数などのデータを蓄積、分析、視覚化する「エリアマネージメントダッシュボード」を開発した。Elasticsearch とKibana を組み合わせることで、データのインデックスからダッシュボードを組み立てるまでの一連の流れを一気通貫に、シームレスに進めることができた。

ブローダービズ株式会社

20 年以上にわたりWeb の最新技術を国内外の大企業の事業に実装してきメンバーが中心となって、2017 年に社会に役立つAI の普及を目指して設立。AI 活用の推進を行う AI イネーブラー/ AI インテグレーターとしての役割を事業の中心に据える。
https://broader.biz/

社会に役立つ AI の普及を目指す。
スマートシティ実証実験に参画し視覚化を担当

AI イネーブラー/ AI インテグレーターとして、社会に役立つ AI の普及を目指す、ブローダービズ株式会社。社会が必要としているプラットフォームを構築するために、研究者や開発者、サービス提供者、製造者など様々な人や知見に加え、技術やサービスや製品を結び付けて提供している。その一環として、AI を社会に役立てようとする実証実験などのプロジェクトにも数多く参画し、実績を重ねてきた。

ブローダービズが関わった実証実験プロジェクトの一つが、東京都が実施した「令和3年度西新宿エリアにおける 5G を含む先端技術を活用したスマートシティサービス実証事業」だ。都は西新宿エリアに 5G アンテナ基地局や各種センサー等を搭載した「スマートポール」を設置するなどしている。ブローダービズは、この事業の一環として、それぞれの場所で取得した人流などの多彩な情報の活用面を担当した。エリアに関係する企業が環境改善に生かすための情報提供、またエリア来訪者への情報提供などについて、より分かりやすく伝える技術や手法を確立することを目的とした取り組みだ。

「スマートポールは、設置場所などに応じて違いはありますが、気温・湿度などのセンサー、カメラ、サイネージ等の機能を搭載しています。カメラ映像は個人情報保護のため閉域網内でのみ扱われ、アウトプットされるのは AI で解析した人流データです。各地点について、歩道を通過した人の方向別の人数、および立ち止まっている滞留人数などのデータが、1分単位で集計されて送られてきます。当社では、こういったデータを受け取って集計・分析し、全体の傾向を見やすく視覚化する『エリアマネージメントダッシュボード』を作りました」と、ブローダービズ株式会社 CCO / 常務取締役の青木誠氏は説明する

Elasticsearch と Kibanaの組み合わせで、ダッシュボードを一気通貫に開発

青木氏は、ブローダービズの担当領域で特に重視したのは視覚化の機能だったと話す。

「人流データ活用の目的は、主にビルやエリア、イベントの運営企画などに関わる企業の担当者たちが、日々の業務や活動に役立てることです。そのためのファーストステップが視覚化であり、ビジネスをしている人たちにリアリティを持って伝えられるようにしなければなりません。数字の羅列では分かりにくいことも、視覚化すればパッと見て全体の傾向や変化を掴めるようになりますし、視覚化した情報を目にして初めて気付くこともあります。そうした気付きがあってこそ、どのように業務に生かしていくか考えられるのです。例えば曜日や時間帯による人流の変化、エリア内や近隣で開催されているイベントによる人流への影響などを把握できれば、それに応じた対応を早めに準備でき、より円滑な業務につながるでしょう」

今回のプロジェクトでは、閉域網内で処理された人流データがブローダービズ側のシステムに転送され、同社ではデータの蓄積から分析、視覚化まで行うシステムを開発した。そのために採用されたのが、Elasticsearch やKibana だ。ブローダービズでは過去のプロジェクトでもたびたび Elastic 製品を活用しており、ノウハウが豊富に蓄積されていた。

「この案件を聞いたとき、当初はもう少し簡易なシステムを想定していました。しかし、さまざまな要件を考慮すると、例えばユーザー管理の仕組みなどを作り込むのに工数がかかりそうだと分かってきました。また、視覚化する部分では、単純なグラフなどの表現でなく、多様なデータを関連付けて見せる形を考えており、表現を試行錯誤しやすくするため容易に変更できるようにしたかったのです。そこには Kibana の表現力が必要だろうと考え、データ格納・分析には Kibana へ一気通貫で扱える Elasticsearch が適切だと判断しました。この組み合わせなら、ユーザー管理の要件も容易に達成できます」(青木氏)

青木氏は、グラフィックデザイナーからWebエンジニアへ転身し、データベースまで扱うようになったという経歴の持ち主で、まず UI 側から検討を開始し、バックエンドへ向けて設計していくことが多いという。Elastic 製品間の連携は、こうしたアプローチで設計・開発を進める青木氏にとっても、扱いやすいと語る。

「Elasticsearch とKibana の組み合わせは、データのインデックスからダッシュボードを組み立てるまでの一連の流れを一気通貫に、シームレスに進めることができます。

ElasticsearchとKibanaの組み合わせは、データのインデックスからダッシュボードを組み立てるまでの一連の流れを一気通貫にシームレスに進めることができます。Kibanaは、視覚的な効果や、見やすさを引き出すためのハードルが低く、ユーザーの反応を見つつ改善していくことが容易でした。また、Elastic Cloudはデプロイが迅速で手間がかかりません。本来の仕事であるデータを扱う部分に注力でき、理想的な進め方ができました

– ブローダービズ株式会社, CCO / 常務取締役 青木誠氏

Kibana により実現した、エリアマネージメントダッシュボードの画面例

今回も、改めてElastic 製品は作りやすいなと感じました。ダッシュボードを作りつつ、ユーザーのロールなど設定していくのが、私の主な作業となりました。普通の RDBであれば、
その前の段階で手間がかかっていたでしょう」

本来の目的に注力することができ開発が効率化、 ユーザーからも高評価

さらに、今回のシステムは、オンプレミス環境でなくElastic Cloud にデプロイされている。同社が契約しているサブスクリプションではセキュリティ設定などに手間がかかったことが大きな理由とのことだが、結果として Elastic Cloud を使うことで開発も効率的に進んだ。

「最初はオンプレミスを想定しており、自社で運用しているdocker サーバ上で試験的にデプロイしたものの、高度なセキュリティ設定を行えるサブスクリプションは費用も高いことから、 Elastic Cloud に切り替えました。Elastic Cloud はデプロイが早く、すぐ使える点も魅力です。おかげで環境構築や設定など本質ではない部分にあまり時間を取られることなく、本来の仕事であるデータを扱う部分に注力でき、割と理想的な進め方ができたと思います」

Elastic Cloud では、デフォルトで提供される Elastic 製品の最新バージョンを採用。これまで青木氏が使ってきたバージョンより新しいことから、新機能を体験する機会にもなった。