オブザーバビリティの運用コストを80%削減
Elasticの導入により、Equinoxは複数のオブザーバビリティソリューションを統合プラットフォームで置き換え、ランニングコストを大幅に削減しました。
ログインジェストを50%削減
オブザーバビリティフレームワークの監視がより明確になったことで、Equinoxはロギングのセキュリティ状態が改善され、Elastic経由でのログインジェストが半減しました。
データインサイトにアクセスできるユーザー数が400%増加
EquinoxはElasticを使用し、スケーラブルなライセンスとシンプルでセキュアなサインオン実現したことで、データやダッシュボードの利用者数が増えました。
Equinox Groupは、サイロ化されたオブザーバビリティソリューションを「単一の画面」で置き換え、社内の幅広いユーザーにデータインサイトを提供することで、競争力を強化しています。
ウェアラブルデバイスからバーチャルワークアウトに至るまで、テクノロジーはこの10年間でフィットネスの世界を大きく変えました。EquinoxやSoulCycleを擁する高級フィットネス企業Equinox Groupは、この変革の最前線に立っています。この企業は米国の主要都市をはじめ、ロンドン、トロント、バンクーバーに100以上の店舗を展開しています。
Equinoxの会員は、洗練されたアプリやソフトウェアなど、さまざまな特典を利用できます。顧客はEquinox+アプリを使ってクラブにチェックインし、幅広いグループフィットネスとピラティスのクラスの中から予約できます。
こういった最先端アプリは、Equinoxプラットフォームエンジニアリングチームによって管理される、同じく最先端のクラウドインフラ上で実行されます。「会員体験こそがすべてです」と、Equinoxのプラットフォームエンジニアリング責任者、ジョエル・ミラー氏は言います。「お客様にとってだけでなく、ソフトウェア開発やマーケティングなどの社内チームにとってもクラウド環境が最適化されている必要があります。」
シェイプアップ
このプロジェクトの前まで、組織は複数のオブザーバビリティツールを使用してデータを収集し、システムの健全性を監視していました。「ロギングとアプリケーションパフォーマンスを個別のサイロで管理する3つのソリューションがありました」とミラー氏。コスト面も問題でした。「これらのツールはライセンスが高価でインジェストクォータも設定されていたため、広範な採用と利用が困難でした。」
競争の激しいフィットネス市場の中にあって、データインサイトを他のチームにも広げることで、組織全体のパフォーマンスとイノベーションを向上させることができるのではないかとミラー氏は考えました。私たちの目標は、社内の誰もが必要なデータ、メトリック、ログを利用できる「単一の画面」を作ることでした」とミラー氏。
チームがElasticオブザーバビリティを選択したのは、一連のパイロット運用によってEquinoxの既存テクノロジースタックとの互換性が証明されたためです。「Elastic APMは、Python、Java、JavaScript、.NETなど、Equinoxのすべてのソフトウェアフレームワークをサポートしています」とミラー氏は言います。また、あらゆるクラウド環境に対応するElastic Cloudのオープン性にも感銘を受けたとのことです。Equinoxの大部分はAWS上で稼働しますが、Microsoft Azureも利用しています。「Elastic Cloudはセットアップが非常に簡単です。私たちが望むことをシステムに伝えれば、サーバー側のクラスターのプロビジョニングは自動的に行われます」とミラー氏。
約200のマイクロサービスにElasticを展開するのにかかった時間は約3か月でした。デプロイの大部分はプラットフォームエンジニアリングチームが管理しましたが、プロジェクトの重要な段階ではElasticプロフェッショナルサービスの専門知識も活用されました。「プラットフォームをスケールアウトする際は、Elasticのソリューションアーキテクトが私たちの提案を検証し、プロセスをスピードアップしてくれました」とミラー氏は言います。
早期導入者グループによる微調整とテストを経て、Equinoxプラットフォームエンジニアリングチームは2022年5月にElasticの一般提供を開始しました。既存ベンダーとの契約は、その直後に解除されました。
ビジネスの健全性向上
ミラー氏の最初の目標は、データを最も必要としている人々の手に届けることでした。「導入以来、オブザーバビリティのユーザーが400%増加しました。Elasticのモデルでは、使用量とユーザー数に応じて課金されるため、より多くの人にとって利用しやすいものになっています」とミラー氏。
Elasticにユーザーを取り込むのは非常に簡単です。安全なログインを提供し、可能性を探ってもらうだけです。ビジネス全体でデータ活用を民主化できるなんて、夢のようです。
クラウド上で稼働するElasticによって、オブザーバビリティの運用コストは80%削減されました。「Elasticは最先端のオブザーバビリティソリューションを提供すると同時に、コストを大幅に削減することもできます」とミラー氏。
新しいオブザーバビリティプラットフォームは、システムの問題解決に取り組むチーム間のコラボレーションをも促進しました。「Elasticを使うと、異なるチームの製品エンジニアが同じデータを参照できるため、より緊密で効果的な作業ができるようになっている点が気に入っています」とミラー氏は言います。
すべての人が同じデータに基づいて会話できるようになったため、Equinoxは以前よりはるかに速くバグを検出し、排除できるようになりました。「Elasticのおかげで、修正プログラムの導入時間を最大50%短縮することができました。」
統一されたオブザーバビリティソリューションによって、ミラー氏とチームはロギングの衛生状態を改善し、インジェストを50%削減することもできました。「一部のユーザーは、すべてのキャッシュコールをロギングしたり、大量のデータを生成するデバッグロギングをデフォルトにしていました。Kibanaダッシュボードを使用してヘビーユーザーを特定し、ロギングを適切なレベルまで削減できるよう支援しました」とミラー氏は言います。
将来への備え
高級フィットネス業界がパンデミック前の活動レベルに戻る中、これらの進歩により、Equinoxはその最前線に留まり続けることができています。Elasticの導入から4か月後、月額会員への売上は過去最高を記録しました。
一方、ミラー氏は未来にも目を向けています。「長年Elasticと仕事をしてきましたが、Elasticの成熟の早さ、リリースや新機能の頻度には感心しています。Elasticは、私たちが今後数か月から数年の間にクラウドインフラを構築していくうえでの安全なプラットフォームとなります」とミラー氏は語ります。