きわめて迅速な検索
Elasticsearchで標準化することにより、InfoTrackはIT運用部門が使用するITシステムのログデータに関して、その検索の速度と関連性の向上、および扱えるデータ量の増大を達成しています。また、ElasticsearchはInfroTrackの旗艦製品で使用されており、顧客が法的文書データを検索することができます。
市場をリードするイノベーション
InfoTrackのデータレイク検索など、Elastic Stackを活用した新しいサービスは、他では達成することのできない効率を顧客に提供します。これらのサービスにより、同社の市場シェアは70%にまで達しています。
パフォーマンスを促進する新たなインサイト
Kibanaの機能を活用することで、InfoTrackは製品のパフォーマンスと使用に関する優れたインサイトを取得し、顧客離れを防止するとともに継続的成長を促進しています。
最適な柔軟性と制御性
AmazonのElasticsearch ServiceからElastic Cloud上のElasticsearch Serviceに切り替えることで、InfoTrackは新しいクラスターの立ち上げにおける柔軟性と、ロールベースの堅牢な制御を実現しています。
InfoTrackについて
InfoTrackは、法律事務所、金融機関、不動産会社、政府機関などの顧客が、不動産やビジネスの取引に必要とされる情報を検索、分析、整理、通信できるように支援する、法務企業向けのテクノロジー企業です。これらの情報は広範にわたっており、不動産および企業に関する政府データや、無犯罪証明などの個人の経歴情報が含まれています。
InfoTrackのプラットフォームは、そのすべての情報を1つの中央の場所から検索できるようにすることでワークフローを変革しています。これにより、顧客は生産性と収益を向上させることができます。
InfoTrackは過去数年間でそのコア市場における主要企業となり、現在ではオーストラリア、米国、および英国で8,500の顧客を有しており、1か月あたり150件のペースで新規顧客が増え続けています。
同社の成長を後押ししているのは開発者主導およびデータドリブン型のイノベーションであり、それをサポートしているのがElastic Stackです。
データドリブン型ソリューションの検索を強化
InfoTrackを簡単に説明すると、弁護士とそのクライアントが業務を遂行するために必要な法務情報および法務関連情報をターゲットとしたGoogle、ということになります。 InfoTrackは、単一のUIとワークフローを備えた1つのプラットフォームに、多数のデジタル検索、申請および署名機能を融合しています。これにより、個人および企業は簡単に何千ものサードパーティから情報を取得し、政府機関に文書を提出することができます。
同社はその創立時から、開発者主導の文化と最新テクノロジーの活用によって市場での差別化を図っており、顧客にプレミアムサービスを提供するとともに、継続的に新しい機能を世に送り出しています。世界中に開発者を擁している同社には、新しいアイデア、製品、プロセスのインキュベーターとなる献身的なイノベーションチームがあります。これらの開発者やチームが、3年後から5年後、そしてそれ以降の同社を形成する存在となります。 InfoTrackの開発者およびイノベーションチームは、Elastic Stackを活用し、そのデプロイをElasticsearch Serviceで管理することによって、顧客に高速な検索を提供できるとともに、新しい製品を簡単かつ臨機応変に作成およびデプロイできます。
イノベーション責任者のAshim Joshi氏と技術責任者のNick Carton氏は、過去4年間でInfoTrackが実行したオンプレミスシステムからクラウドへの移行により、新しいテクノロジーの模索とデプロイが簡単にできるようになったため、そのようなイノベーションを促進することにつながったと述べています。Carton氏は、「オンプレミスのシステムによる制限があると、ビジネスを拡張することは非常に難しくなります」と語ります。「クラウドに移行すること、そして最終的にはクラウドネイティブになることによって得られる自由と柔軟性により、当社は開発者主導の文化を形成できるようになり、きわめて迅速にスケールアップできるようになりました」。
InfoTrackのElasticストーリー
よりスマートで迅速な検索の実現
InfoTrackプラットフォームにより、法律や不動産関連のさまざまな取引の実行に必要な情報や文書を収集するための時間と労力が削減されます。たとえば、オーストラリアの市場では、個人が不動産を購入する場合、地方議会または土地登記所が発行する所有権証明書などの書類が必要になります。不動産譲渡専門の弁護士に依頼し、その弁護士がこれらのものを取得する場合は最大で10日必要になりますが、InfoTrackを使用すると文書をオンラインですぐに検索することができます。
もちろんこれは、今まで不可能だったやり方で人々が文書を入手する1つの方法に過ぎません。しかし、これらの文書の入手要求が増え続ける中で、異なる各種データソースやデータ構造からこれらの文書を収集し、ほぼ瞬時に提供することとはまったく異なります。このためにInfoTrackの日常業務に欠かせないものとなっているのが、ロギングと監視です。Elastic Stackを活用することで実現するコンセプトにより、開発者はアプリケーションのパフォーマンスを継続的に追跡し、エラーが発生した場合はその根本原因を究明してすぐに対処できます。
InfoTrackでは当初、ロギングはファイルログツールを使用して手動で管理していましたが、同社が成長し、また開発者にアプリケーションのトレースとデバッグを許可していなかったことから、このアプローチでは多大な時間が必要となっていました。そこで同社は、代替ソリューションを探すことにしました。すぐに考え始めたのは自社で構築することです。しかし、そのためには数か月の時間と、水平スケーリングやアプリケーション間でのログの分離などの作業を管理する専門リソースが必要になります。代替ソリューションの模索はその後も続きました。そして2017年の初頭、Elastic Stackのことを耳にした同社のCEOは、そのテストをイノベーションチームに依頼したのです。
毎秒何千ものログが記録されていたため、それらのログ全体できわめて迅速に検索できるような一元化されたスケーラブルなソリューションが必要でしたElastic Stackなら、私たちの問題のすべてを解決してくれます。
最適なマネージドサービスプロバイダーの選択
まずInfoTrackは、Amazon Elasticsearch Serviceを実装しました。イノベーションチームは、これが迅速で簡単な解決策であると考えていましたが、すぐにセキュリティとパフォーマンスの問題に直面しました。それらの問題の1つは、Amazon Elasticsearch ServiceがElastic Stackの古いバージョンを実行していたことです。そのバージョンではIP制限を使用したセキュリティのみが可能であったため、開発者は基盤となるJava仮想マシン(JVM)の調整に制限がありました。さらに、Amazon Elasticsearch Serviceでは、Elastic Stackのその他の機能であるAPMやインデックスライフサイクル管理(ILM)、Graphなどに、InfoTrackのチームがアクセスすることができませんでした。それらを使用できないと、チームは長期的な成功や安定性を目指してシステムを構築するための最大限の可能性を得ることができず、利用可能なデータから最大の価値を得ることができません。
Amazon上で実行しているとき、私たちは自然と、これが簡単な方法であると思っていました。ボタンをクリックするだけでAmazonでElasticsearchを実行できるのです。しかし私たちが悟ったのは、簡単であることは必ずしも、より優れたエクスペリエンスや機能、サポートを意味するわけではないということです。そこですぐにElasticsearch Service on Elastic Cloudに切り替えました。そうすることで必要な機能やその他すべてが得られるようになり、それ以来、過去を振り返ることはなくなりました。
Elasticによる優れたサポートとドキュメントにより、InfoTrackは簡単に移行を実行し、Elastic Stackの最新バージョンと広範な機能セットにアクセスできるようになりました。それらの機能セットには、ロールベースのより堅牢なセキュリティ制御、新規の社内顧客への対応や新しいプロジェクトを開始する際の柔軟性の強化が含まれます。実際に開発者は、Elasticsearch Serviceコンソールのスライダーバーをクリックするだけでスケールアップや新しいクラスターを追加することができるため、非常にシンプルです。
現在、InfoTrackはFilebeatおよびMetricbeatを使用して、数千ものアプリケーションからLogstashにデータを送信しています。それらのデータはLogstashで可読形式に変換され、ElasticsearchおよびKibanaを使用して検索、可視化することができるようになります。
Elasticsearch Serviceは検索速度の向上に加えて、さまざまなデータストリームへの接続やインデックスライフサイクルの管理の際により優れた柔軟性を提供してくれる、とCarton氏は述べており、同社は今後その柔軟性を有効活用する予定です。つまり、Hot-Warm-Coldアーキテクチャーを実装し、パフォーマンスとコストのバランスをとることを計画しています。
「現在、ログとメトリックのすべてを一元管理して、Kibanaですべてを監視しています。これによって非常に簡単にアプリケーションのエラーを特定し、何が起きているかを把握できるため、ダウンタイムを最小化できます」と、Carton氏は述べています。
より多くのインサイトを取得してイノベーションを促進
InfoTrackは、Elastic Stackを使用してビジネスの他の側面を監視することでElastic Stackのさらなる価値を継続的に見つけており、新しい製品やサービスの改善に役立つアイデアを社内で共有しています。また、イノベーションチームは最近、プラットフォームでの検索に変革がもたらされたことを示す新しいピラミッド型の「製品ストーリー」を、Elastic Stackを使用して作成しています。このピラミッドの基盤となるのは、InfoTrackのデータレイクおよびデータマートレイヤーであり、それをElastic Stackが支えています。そして、その上にあるのがInfoTrackのAPIレイヤーとアプリケーションになります。つまり、開発者は別のデータベースを稼働させて維持するのではなく、そのデータマートを基盤として製品を構築することができるのです。
イノベーションチームは現在、製品全体にわたるスマートで迅速な検索メカニズムを実現するために、文書に関してInfoTrackのプラットフォーム上で実行される5,500万件以上の全注文に、メタデータをタグ付けする作業を進めています。同チームはデータチームの支援を受けて、ETLパイプラインもセットアップしました。これは、プラットフォーム上で文書にタグ付けし、それらを軽量のフォーマットに変換するものであり、効率的な全文検索を実現できます。
「これらのデータマートを確立し、Elastic Stackでよりきめ細かいキーワード検索を実現することで、当社はデータに関する文化を育んでいます。つまり、それらのデータを使用してさらに何ができるかを開発者が追求し、また、その検索の力をどのようにしてお客様へと拡張できるかについて考えるという文化を促進しています」と、Joshi氏は語ります。
InfoTrackの新しいデータレイク検索は、そのようなイノベーションの成果です。このスマートな検索ソリューションにより、顧客はさまざまなサードパーティからの複数の文書の並べ替え、可視化、つながりの発見が可能になります。たとえば、今後顧客になる可能性があるクライアント名の検索を実行する弁護士は、その個人の不動産、ビジネス、現在または過去の法的取引に関する情報のすべてを1か所で表示できます。
これによって顧客調査のスピードに変革がもたらされ、利害の対立に関する検索を数週間ではなく1日で完了できます。
パフォーマンスと顧客満足の最適化
Elastic StackおよびElasticsearch Serviceを使用することで、ログの管理やアプリケーションエラーの解決に関する時間の節約から、信頼できるカスタマーエクスペリエンスの提供まで、広範なメリットを得ています。「お客様がInfoTrackを選んでくださっているのは、当社がプレミアムサービスを提供するからです。それをサポートしているのがElasticです。早期にアプリケーションの問題を特定することができ、非常に迅速にサポートチケットを解決してくれます。その結果、当社のヘルプデスクのNPSは70から80超へと改善されました」と、Joshi氏は述べています。
Kibanaを使用することで、成長や顧客維持率などのその他のメトリックも改善されます。Kibanaにより、問題の調査時間が削減され、開発者は高品質のコードの提供に多くの時間を費やせるようになります。InfoTrackでは、修正や機能については毎日デプロイできるようになり、また、他に類のないInfoTrackのデータレイク検索などの革新的なソリューションのリリースが可能になっています。さらに、クロスセル機会の特定や顧客離れの防止に役立つビジネスデータを、これまでにないほど多く取得しています。
スピードが要求されるビジネスでは、自社のビジネスを理解し、情報に基づいた意思決定を行うために、リアルタイムのデータが必要です。私の朝のルーティンにはKibanaダッシュボードの確認が含まれており、毎日のミーティングではアドホックなクエリを実行して、必要なインサイトを取得しています。Elasticsearch Serviceを使用することで、メンテナンスフリーのサービスに必要な安定性とパフォーマンスも得られます。すべてのクラウドサービスが、コスト効果が高くてシームレスであることが理想です。
現在、InfoTrackはその開発プロセスを成熟させること、およびElastic Stackの新機能の追加に取り組んでいます。それらの新機能は、Elastic Cloudコンソールのスライダーをクリックしてドラッグするだけの簡単な操作で追加できます。同社の今後の計画には、APMを使用して文書提供パイプラインの障害点をトレースすることが含まれています。これにより、その障害の発生ポイントが自社のテクノロジースタックかパートナーかに関係なく、より迅速にその問題を解決することができます。またInfoTrackは、Elastic Cloud内でSIEMに簡単にアクセスできることにも期待しており、それを脅威の監視やセキュリティ業務の促進にどのように活用できるのか、SIEMを活用すればそれと同様の機能を得るための社内ソリューションの構築が回避できるのかについて調査しています。
「私たちの目標は、4か月ごとにソリューション全体をリリースすることです。Elasticなら、それを達成するための柔軟性と効率を提供してくれます。