Elastic License v2(ELv2)に関するFAQ
ElasticsearchおよびKibanaは、Apache 2.0ライセンスソースコードからElastic LicenseとServer Side Public License(SSPL)のデュアルライセンスに移行します。今後、ユーザーは適用するライセンスを選択することが可能になります。またElastic LicenseをよりシンプルなElastic License v2(ELv2)に変更し、実質的に一層寛容なライセンスとしています。このライセンスの変更は、Elasticのコミュニティとお客様に対し、使用、修正、再配布、コラボレーションを目的としたコードへの無料かつオープンなアクセスを確保します。またこの変更は、クラウドサービスプロバイダーがいかなる還元も行わずサービスとしてのElasticsearchおよびKibanaを提供する行為を禁止することにより、Elasticが無料かつオープンに配布する製品の開発に対して行う継続的な投資を保護するものです。この変更は、7.11リリースより、この2製品の保守されているすべての枝番を対象に適用されます。また、Elasticのデフォルト配布パッケージは今後もElastic Licenseの下に提供されます。
Elastic License 2.0の内容を簡単にまとめると?
Elastic License 2.0はElasticsearchおよびKibanaの配布と、無料および有償のすべてのソースコードに適用されます。ELv2を通じてElasticが目指すのは、悪用から保護すると同時に、可能な限り寛容なライセンスの実現です。このライセンスはシンプルな3つの制約を定め、無料で使用、修正、派生成果物を作成、再配布する権利を認めます。
- 製品をマネージドサービスとして他者に提供する行為の禁止
- ライセンスキーによる保護機構を何らかの方法で回避する行為、および、ライセンスキーで保護される機能を削除または隠蔽する行為の禁止
- 使用許諾、著作権、その他の通知を削除、またはわかりにくくする行為の禁止
Elasticの意図は、単に製品とブランドを悪用から保護するための制約事項を最小限にすることです。
ElasticsearchとKibanaを社内用に使っているけど、ELv2が与える影響は?
今後も引き続き、ElasticsearchとKibanaのデフォルト配布パッケージを無料で使用いただけます。ELv2は付加的な権利を提供するものであり、ユーザーによる使用はElastic License作成時より明確に許可されています。ゴールド、プラチナ、エンタープライズで提供される機能へアクセスするには、サブスクリプションをご利用いただく必要があります。
Elasticsearchを使ってアプリケーションを開発しているけど、ELv2が与える影響は?
上に概説した3つの制約に従って、お使いのSaaSやセルフマネージドのアプリケーション内で自由にElasticsearchを使用できるほか、開発したアプリケーションを通じた再配布も可能です。
開発したアプリにElasticsearchとKibanaをカスタマイズして組み込んでいるけど、ELv2が与える影響は?
Elastic License 2.0は、上に概説した3つの制約の範囲で使用、修正、再配布を許諾します。
3つのシンプルなルールに従っている限り、引き続きElastic Licenseの下にデフォルトの配布パッケージをお使いいただくことができます。ご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。
Elastic License 2.0は1.0とどう違うの?
Elastic License 2.0には、コミュニティから収集したフィードバックと、ここ数年のElasticの経験のほか、MongoDBやCockroachDB、RedisLabs、TimescaleDB、Graylogなど他社の事例から学んだことを組み合わせて反映させました。この結果、「あらゆることを許諾する。悪用に対して最小限の制約を設けることに注力する」という方針を念頭においてライセンスの作成を開始しました。
上に概説したように、Elastic License 2.0は製品とブランドを悪用から保護するわずか3つのシンプルな制約の下に、無料の使用、修正、再配布を許諾します。
「使用許諾、著作権、その他の通知を削除、またはわかりにくくする行為の禁止」という制約の意図は?
「ホストされた、またはマネージドのサービスとしてソフトウェアをサードパーティに提供する行為」には、たとえばどんな状況が該当する?
例:ネコ画像のSaaS製品にElasticsearchを使って検索ボックスをつけた。
これは、ELv2によって使用許諾される例ですにゃ。
社内用途で使うクライアントのために、外注業者としてElasticsearchとKibanaをセットアップした。
これは、ELv2によって使用許諾される例です。ソフトウェアをマネージドサービスとして提供するものではないので、問題ありません。
ネコ画像のSaaS製品を開発し、検索とビューの分析を閲覧のみのKibanaダッシュボードで公開している。
これは、ELv2によって使用許諾される例です。このケースでKibanaは限定的に使用されており、Kibanaの機能の大部分へのアクセスを示すこともありません。
マネージドサービスプロバイダー(MSP)として、顧客にElasticsearchとKibanaを提供している。
サービスをご利用の顧客(エンドユーザー)にElasticsearchとKibanaへのアクセスが提供されていない場合、ELv2によって使用許諾されます。ElasticsearchまたはKibanaのいずれについても、サービスの一部として顧客がその機能のかなりの部分にアクセスできる場合は、許諾されません。
サービスとしてElasticsearchとKibanaを提供していて、顧客はElasticsearch API各種とKibana UIのかなりの部分に直接アクセスできる。
このケースは、ELv2によって使用許諾されません。オプションについて説明しますので、Elasticまでお問い合わせくださるようお願いいたします。
具体的なシナリオに関してご質問がおありの場合は、elastic_license@elastic.coまでお問い合わせください。