Elasticエンタープライズサーチ7.11の最新情報 ― WebクローラーのリリースとコンテンツソースへのBoxの追加
Elasticは、7.11リリースのElasticエンタープライズサーチに含まれる最新機能と性能強化について発表しました。Elasticエンタープライズサーチは手軽に実装でき、アプリやWebサイト、職場向けに事前調整済みの検索エクスペリエンスを提供するプロダクト群です。大きな更新点として、Elastic App Searchに新しいWebクローラーが登場しました。このクローラーは、パワフルかつ効率的なメカニズムで公開中のあらゆるWebコンテンツをインデックスします。Elastic Workplace Searchについては今回も、事前構築済みのコンテンツソース統合機能ライブラリを拡充しています。新たにBoxとの統合に対応するほか、JiraとConfluence向けの関連性とセキュリティが向上しました。ここからは7.11リリースに関連したエンタープライズサーチの更新点と、エンタープライズサーチで検索エクスペリエンスを構築する際の使いやすさ、およびパーソナライズに関する性能向上のほか、全般的な影響について少し詳しくご説明します。
注目のWebクローラーが登場
クローリングの準備は万端です。新しいApp Search Webクローラー(7.11でベータリリース)は公開中のWebサイトコンテンツに対応する、便利で効率的なインデックスメカニズムです。これまでの企画と開発作業の集大成となる新しいWebクローラーがデビューを果たし、Elasticとしても感無量です。
App SearchはこれまでもフレキシブルなAPIや事前調整済みの関連性、直感的ダッシュボードを搭載する、Webサイトに検索を追加するためのシンプルかつパワフルなプロダクトでした。さらにWebクローラーの登場で、コンテンツを一層手軽にインデックスできるようになりました。具体的には、インデックスするWebコンテンツを特定して、クローリングの設定をいくつかカスタマイズするだけです。エントリーポイントをセットアップしたり、除外するコンテンツのルールを規定したら、その先はクローラーに任せることができます。
Elastic App Searchの新しいWebクローラー
冒頭でも触れたように、このWebクローラーは現在ベータで公開中です。ElasticはこのWebクローラーについて機能面の開発を継続しており、よりスケーラブルで、高度にパーソナライズ可能な、オブザーバビリティにすぐれたクローラーの開発を目指しています。ぜひこのWebクローラーをお試しいただき、またお気づきの点がございましたらフィードバックをお寄せください。
Workplace Searchの事前構築済みコンテンツソースにBox向け統合機能が登場
Workplace Searchには、豊富なコンテンツソース統合機能の完成品が揃っており、人気のストレージや生産性ツール、コラボレーションツールなど、どんな業務用ツールにも対応します。今回、さらに嬉しいことにコンテンツソースファミリーにBoxが加わりました。他の事前構築済みWorkplace Searchコンテンツソースと同様にパーソナライズ可能で、安全で便利、もちろん接続も簡単です。
Boxを使用中のチームも、Google DriveやOneDrive、Dropboxなどを使うチームも、ご利用のクラウドストレージツールをWorkplace Searchに簡単に接続できます。モダンなインターフェースとフィルターを搭載するWorkplace Searchを導入すると、1回の検索で無数のツールを横断し、一元的かつ関連性の高い検索結果を確認できます。すべてのコンテンツソースをWorkplace Searchに追加した後は、シンプルなスライダーを使って管理者によるソースの優先順位の調整を実施できます。コードを記述する必要はありません。たとえば、あるチームが他のチームよりBoxを使う頻度が高い場合、そのチーム向けにBoxの関連性を高める調整が可能です。さらに、使用頻度の低いツールの検索関連性を低くすることもできます。
JiraおよびConfluence向けの検索関連性とセキュリティ性能が向上
すべてのコンテンツを同じように作成、あるいは共有できるわけではありません。コンテンツの中には、明確に指定された個人やグループで共有されるべきものもあります。検索が手軽になった分、そのようなファイルへのアクセスをドキュメントレベルで制御する仕組みの重要性が高まっています。7.11リリースより、Elastic Workplace SearchはAtlassianのJira CloudとConfluence Cloud向けに、ドキュメントレベルの権限に対応する機能を追加しました。ソースアプリケーションの権限設定がElastic Workplace Searchに同期されることで、一層関連性にすぐれ、安全かつパーソナライズされた検索エクスペリエンスを提供します。
ユーザービヘイビアの分析を強化
Elasticエンタープライズサーチ7.11リリースで、Workplace Searchのデータ分析を可能にするEvents APIが登場しました。カスタム検索や埋め込み検索のエクスペリエンスを構築する場合、Events APIでユーザーの振る舞いを捕捉して分析に活用できます。
Workplace Searchでは以前からデータのクリック&クエリ操作が可能ですが、今回のリリースで、この操作に対応するデータの種類が増えました。たとえばKibanaのダッシュボードを作成してWorkplace Searchで最も人気のコンテンツクエリを特定したり、そのコンテンツのクリックスルーレート(CTR)を表示したりできます。CTRが低いのに実行数が多いクエリを確認することで、アップデートや再読み込み、削除が必要なコンテンツを正確に、すばやく把握できます。クリック数が上位のドキュメントや1日で最もアクティブな時間帯、クリック数が0の上位クエリ、最もアクティブなユーザーなど、多彩な可視化を作成可能です。