Elasticを使用して検索エクスペリエンスをパーソナライズする方法

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パーソナライズされた検索エクスペリエンスの構築は困難な場合があります。本記事では、パーソナライズを開始するステップを詳しく解説します。そのため、ユーザープロファイルに応じて検索結果を優先順位付けし、関連性の高いおすすめを提示し、ワークフローを加速させることができるようになります。しかし、その前に、パーソナライズされた検索が重要な理由を説明しましょう。

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パーソナライズされた検索の影響力

お気付きかどうかわかりませんが、日々接するパーソナライズされたデジタルエクスペリエンスを支えているのは検索です。以下はその一例です。

  • 逐次検索では、検索履歴を使用してクエリ候補を提示しています。
  • ナレッジベース記事は、サブスクリプションの個人設定に従って表示されます。
  • 医療機関は病歴と位置情報を基に提示されます。
  • オンラインショッピングのおすすめは、似たようなユーザーのお気に入りの製品や以前に購入したものに基づいてカスタマイズされます。
検索履歴に基づいておすすめの商品を提示する逐次検索

パーソナライゼーションが広まったのは、パーソナライゼーションが大きなビジネス成果を上げているからです。Wakefieldが実施した最近の消費者調査の結果は以下のとおりです。 

  • オンライン購入者の88%がパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するWebサイトで購入を続ける傾向にあります。
  • 84%が、パーソナライゼーションが購入の決定に影響を与えると回答しています。
  • 68%がパーソナライズされたおすすめに基づいて購入予定のなかった商品を購入したことがあります。

要するに、パーソナライゼーションがロイヤルティを構築し、意思決定に影響を与え、消費を拡大しているというわけです。そのため、検索エクスペリエンスを構築している組織や開発者は常に気を配っています。 

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突き詰めるとパーソナライゼーションはデータの問題 

パーソナライゼーションアーキテクチャーはすべて、データインジェスト、データ分析、エンドユーザーに合わせたエクスペリエンスのカスタマイズという同じステップを踏みます。どのステップも中心にあるのはデータです。データの収集に始まり、データを分析し、データを利用してエクスペリエンスをパーソナライズしています。

ワークフロー:データの問題としてのパーソナライゼーション

最初のステップでは、パーソナライゼーション戦略に役立つ顧客データをまとめます。多くの場合、顧客データはクエリ、クリック、購入履歴などの他のデータセットと統合されます。 

次に、集約したデータを分析して、エンドユーザーの好みを把握し、傾向をあぶり出します。この処理は、手動で行うことも、機械学習を利用して自動で行うこともできます。この分析から得られたインサイトを活用して、検索モデルをパーソナライズします。

最後に、データ分析の結果を利用して、パーソナライズされた検索エクスペリエンスを設計します。 

シンプルに聞こえるかもしれませんが、Elasticでは「ケースバイケース...」 と考えています。

Elasticを使ってパーソナライズされた検索を手軽に実現

幸い、Elasticは検索の力を活用しているデータ分析企業です。そのため、ローコードのすぐに使えるオプションからエクスペリエンスを完全に制御できるAPIまで多岐にわたる開発者向けツールを提供しています。重要な原則として柔軟性をプロセスのすべてのステップに適用しています。その理由は、パーソナライゼーションのユースケースはすべて異なり、当然適宜カスタマイズする必要があるからです。 

データインジェストについては、プリビルトコネクター、カスタムリソース用のコネクターを作成するためのフレームワーク、サードパーティの統合にアクセスして、関連データをElasticに取り込んで格納することができます。 

データ分析については、Elasticでデータのインデックスを作成し、Elasticのデータ可視化とダッシュボードツールであるKibanaを使用して分析できます。ElasticsearchのAPIを利用してアグリゲーションを自動化することも可能です。データプライバシーやデータレジデンシーの要件を満たすために、クラスターを横断してデータを分析することもできます。独自の機械学習モデルを持ち込んだり、Hugging Faceから直接インポートしたりして、分析を自動化することも可能です。Elasticのネイティブベクトル検索を使用し、独自のパーソナライズされたおすすめエンジンを構築して利用することもできます。

パーソナライズされたインサイトを検索に適用する準備が整ったら、ElasticのエンタープライズサーチAPIを使用して、順位付けフィールドの重み付けで関連性モデルを即座に調整できます。検索結果の表示順をより細かく制御する場合は、ElasticsearchのAPIを利用できます。また、ElasticのSearch UIと、Elasticの検索エンジンに直接組み込めるJavaScriptライブラリを使って検索エクスペリエンスを迅速に構築できます。

1つ上を行く

常日頃見慣れている最新のデジタルエクスペリエンスを支えているのはパーソナライズされた検索です。パーソナライズされた検索は成果を上げています。具体的には、顧客エンゲージメント、売上、リピーターを促進しています。 

どの組織にもパーソナライゼーション戦略が必要です。パーソナライズされたエクスペリエンスを構築する場合は、データ戦略も必要です。パーソナライゼーションを左右するのは、データのインジェスト、データの分析、エンドユーザーのニーズを満たすパーソナライズされた情報の提示だからです。 

Elasticは、パーソナライズされたエクスペリエンスの構築の鍵は柔軟性にあると考えています。制御性を最大限に高めて、ユーザーに合わせてパーソナライゼーションをカスタマイズできる組み込みの機能、開発者向けツール、ライブラリを各種提供しています。 

検索結果をクリックデータで順位付けし直し、パーソナライゼーションにベクトル検索を適用する方法を紹介するライブコーディングデモについては、Elasticを使って検索パーソナライゼーションを実装する方法をご覧ください。 

コードサンプル、Elasticのネイティブベクトル検索および機械学習に対するオープンで柔軟なアプローチの詳細を含め、Elasticエンタープライズサーチで分析ベースのパーソナライゼーションを行う方法について詳しくは、ホワイトペーパーをダウンロードしてください。